【LoGoチャット・LoGoフォーム導入事例】選挙業務でのLoGoシリーズ活用! スマホの利用で「時間」「人員」「人的ミス」削減を実現

京阪神首都圏へのアクセスがよく、自然も豊かで古くから「京の台所」として知られている京都府亀岡市。令和3年10月に行われた衆議院選挙業務にて、LoGoチャット・LoGoフォームを活用いただきました。活用メリットや運用方法だけでなく、使ってみて実感したという今後の課題についても要注目です。

(取材日:令和4年1月12日)

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◆お話をうかがった方

総務部総務課行政係長 八木 吉之氏(写真中央右)

総務部総務課行政係主任 出口 直輝氏(写真右)

情報政策課デジタル推進係長 佐藤 由紀子氏(写真左)

情報政策課デジタル推進係主査 天池 航氏(写真中央左)

 

京都府亀岡市

◆人口: 87,582人(令和3年11月1日現在)

◆世帯数: 39,696世帯(令和3年11月1日現在)

◆予算規模:657億2,417万円(令和3年度当初予算)

◆面積:224.8 km²

 

■選挙に関する一連の業務でのLoGoチャット・LoGoフォーム活用について、ご準備頂いたことや利用シーンについて教えてください。

まずLoGoチャットからお話します。亀岡市では庁内全体でLoGoチャットを利用しており、選挙の際は、市内41か所の投票所に配置する庶務主任(事務責任者)との事務連絡手段として、LoGoチャットを活用することになりました。

選挙管理事務局から一斉連絡をするための、庶務主任全体連絡用のグループを作成して、ノートも活用しながら提出書類の共有や注意事項の案内をしていました。

全体連絡のルームは選管事務局からの案内を送るのみに使用し、庶務主任からの質問については、質問によって重要な案内が埋もれてしまう懸念があるため、選管事務局担当へ個別に問い合わせるルールにしました。選挙当日は、様々な報告書類の書き方の案内や、報告方法に対する質問対応などでも使用しました。

 

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全体連絡用トークルーム

 

LoGoフォームについては、投票所からの中間速報と、最後の結了速報で活用しました。開票日、各投票所の庶務主任が時間毎の投票数を規定の用紙に手書きで記入し、記載された用紙をスマートフォンで撮影、その写真データをLoGoフォームへ貼付する形で報告する方法にしました。選管事務局側では添付された写真を印刷して検算し、Excelファイルで集計を行いました。

計9回分の報告業務について、フォームを毎回分けると9つ分のフォームが必要になり、誤入力の可能性もあるため、1回の報告ごとに都度回答データを削除し、9回全て同じフォームで回答を受け付けました。投票所からの業務終了の報告は特にせず、LoGoフォームでの最後の結了速報の報告をもって、業務終了とみなす形にしました。

 

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▲都度回答を削除し、9回の報告で毎回同じフォームを使用

 

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▲画像を添付する形式で連絡

 

■今回選挙で初めて活用してみて、職員の方の操作に対する不安や、当日のトラブルはありませんでしたか?

亀岡市ではLoGoチャットの個人スマホでの利用を強制していませんが、普段から多くの職員がスマホでLoGoチャットを活用しています。スマホの設定やプランなどによって通信制限がかかっているなどで、画像を送れないという事象は一部ありましたが、それ以外は特に問題なく使えていたと思います。当日は一部LoGoフォームで添付してもらった画像が、回答ページで一部表示できないものもありましたが、添付ファイルをダウンロードすることで無事に印刷できました。

 

■選挙でLoGoシリーズを利用するにあたって、個人情報の取り扱いやセキュリティ設定など新たに設けたルールなどはありますか?

普段から庁内で利用の際のルール・マナーを周知しているので、選挙対応時のルールを特別に設ける必要はありませんでした。

 

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亀岡市のチャットマナー

 

■従来の連絡体制と比べてどう変化がありましたか。実感されたメリットについて教えてください。

LoGoチャットについて:

以前は庁内の連絡をメールで行っていたため、通知に気付かない方への伝達が遅れるという課題がありましたが、LoGoチャットであれば個人スマホで通知を受け取れるので、情報共有のスピードが向上し、レスポンスも早くなったのが大きな点だと思います。

LoGoフォームについて:

従来の中間・結了速報報告は、各投票所から同タイミングでの電話による報告だったため、受電可能な回線に制限があり、回線が空くまでの待ち時間が発生していました。今回、LoGoフォームでの報告に変えたことで、庶務主任からは「電話での待ち時間がなくなってよかった」という声をもらっています。各投票所から報告を受ける側の待機人数も、前回平成29年の衆議院選挙の際は17名配置していましたが、今回は半分以下の8名に減らすことができました。

また電話では口頭での数字を確認をする時間を要していましたが、今回はLoGoフォームで簡素化された上、画像添付での報告としたことで、聞き間違いなどによる人的ミスのリスクも軽減できたと思います。

 

■フォームは総務課のメンバーで作成されたのですか?

総務課で作成しました。今まで総務課でLoGoフォームを使ったことはなく、今回の選挙で初めて使うことになりました。はじめは情報政策課に作成手順を教わりながら作成を進め、慣れてくると感覚的に作成していくことができました。どういう構成にするかの検討の時間を除くと、半日程度で準備できたかなと思います。

 

■フォームでの回答を数字の入力ではなく、画像にしたのはどうしてですか?

投票所によってはPC環境が整っていないところもあるため、フォーム入力は庶務主任個人のスマホからになります。既定の用紙からフォームへ入力するときに転記ミスを防ぐにはどうしたらいいか検討した際、用紙の画像添付という方法が一番ミスを少なくできると考えました。

 

■今回の活用で気付いた問題点や、今後解決したい課題はありますか?

LoGoチャットについては、全体への情報共有が迅速化し、担当者が外出先からでも対応できるメリットがある半面、質問は個別にと案内したことで、選管事務局の特定の担当に質問が集中し、一つ一つの質問に対する精度が下がったり、回答が遅くなったりという問題が起こりました。個人用SNSのようにいつでも気軽に連絡できて使いやすいので、質問対応などについては一定のルールを設けることも必要だと感じました。

 

LoGoフォームについては、フォームでの回答をもって報告完了とし、問題がなければ本部から連絡はしないという運用にしていたため、口頭での確認がないことに不安を感じている職員は一部いましたね。逆に、現場としては最後の報告を終えると安心して撤去作業に入ってしまい、こちらから連絡がつかないという事態も発生したので、こちらも改善の余地があると思います。

 

■LoGoチャットについては、全体連絡ルームとは別に質問用ルームを作ったり、質問はノートで対応したり、問い合わせ受付ボットを活用したりという改善策も、今後検討の余地がありそうですね。

最後に、今後の選挙業務で取り組んでみたいことがあれば教えてください!

LoGoチャットについては先ほどお話したように、問い合わせ対応などの交通整理をしていく必要があると考えています。

選挙ではいかに人的ミスを削減するかがポイントだと思いますが、LoGoフォームについては今回うまく活用できたと思っています。フォーム入力の方法を採用すれば、さらに集計の迅速化と省力化が図れるメリットがありますが、入力ミスが高まるデメリットも考えられますので、今回採用した画像共有の方法とどちらがいいか、バランスを考えながら改善していきたいと思っています。

 

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