パブリテックトークLIVEとは、自治体担当者様のリアルな声をインタビュー形式でご紹介するトークイベントです。
好評につき第3回目の開催となった今回。LoGoチャットを全庁で利用している長野県中野市様・奈良県王寺町様をゲストにお迎えし、全庁展開の際に工夫したことやLoGoチャットの活用方法をお聞きしました!
■スペシャルゲスト プロフィール
◆長野県中野市
総務部企画財政課 DX推進係 主任主事 金井友也 氏
◆奈良県王寺町
総務課ICT推進係 係長 中俣遼太 氏(写真右)
総務課ICT推進係 主事 旗谷麻紀 氏(写真左)
現在の利用状況と導入の背景 ~きっかけはDX推進など。三役を含む全庁に展開。
-はじめに、現在の利用状況を教えて下さい。
(王寺町・旗谷)王寺町では、会計年度任用職員を含めた全職員にLoGoチャットのアカウントを配付しています。数は約250アカウントです。利用シーンは業務連絡や質問など、本当にさまざまです。日々の業務の連絡は、ほぼLoGoチャットで行っていますね。
(中野市・金井)中野市でも原則、会計年度任用職員を含めた全職員にアカウントを配付しています。一部、保育士については正規職員のみの配布としています。
-市長や町長もLoGoチャットを利用されていますか。
(王寺町・旗谷)町長、副町長、教育長の三役にもアカウントを配付しております。導入当初から、配付していました。
(中野市・金井)中野市でも、市長、副市長、教育長に配付しています。他の職員と同様、導入当初から利用してもらっています。
-LoGoチャット導入の背景を教えて下さい。
(中野市・金井)令和元年ごろ、長野県の3つの市で基幹系システムの共同化プロジェクトがありました。市をまたいだ連絡・調整を行うシーンが多い中で、情報担当がLoGoチャットの存在を発見し、3市で無料トライアルを開始しました。当時は中野市職員だけでも90名くらい利用していましたが、非常に便利なツールだと評判だったので、全庁展開しました。
(王寺町・中俣)王寺町ではDXを推進する中で、複数部署と共同で進める事業が増えていました。グループウェアを利用していないこともあり「何か職員の間で効率的に情報共有ができるツールはないか」と話をしていたところ、LoGoチャットの無料トライアルのお話を伺い導入しました。全庁展開は、トライアル中に行いましたね。
-LoGoチャット導入の決め手は何でしたか。
(王寺町・中俣)現場へ出る職員は離席することが多いので、外出先から利用できる点が便利でした。王寺町では部署ごとに共通のメールアドレスを利用しており、職員個人でメールアドレスを持っていないのですが、LoGoチャットは1人1つのアカウントがあるので、個人間で気軽に情報連携できるというメリットもありました。
(中野市・金井)当時LGWANで利用できるチャットツールはLoGoチャットしかなかったので、LGWANで使うことができるのは大きなポイントでした。中野市ではかつて無料のチャットツールを利用していましたが、総務省によるネットワーク分離により、そのツールは一旦廃止になりました。その後も一定数、チャットを導入してほしいという要望があったため、職員のチャットに対する抵抗はあまりなかったですね。
全庁展開に至るまで ~草の根活動で、原課での具体的な活用例を伝えるのがポイント!
ー王寺町様では、どのようなステップで全庁展開をされましたか。
(王寺町・中俣)チャットツールは一部のみの利用だと活用の幅が限られてしまうため、トライアルから全庁展開したい、という話は企画部門としていました。
一方で、例えば全庁メールで「LoGoチャットを導入します」と言ってもなかなか浸透しないと思ったので、事前に活用が見込めそうな部署に対して根回し活動を行いました。外出が多い部署には事前に「こんなことをやろうと思っている。便利なので使ってみてね。」と声をかけました。総務・広報・企画など、さまざま部門と関わる部署にも事前に、LoGoチャットの紹介をしに行きました。実際に使ってもらい、LoGoチャットの便利さを体感してもらうのが一番だと思っていましたね。
ー皆さんの反応はいかがでしたか。
(王寺町・中俣)直接顔を突き合わせて話をしたので、面と向かって「いらない」という反応はありませんでした(笑)。具体的な利用シーンが想像できるように、活用方法もあわせてお伝えし、「業務で利用したら便利そう」と前向きな回答が返ってくるように話をもっていきました。トラストバンクさんが活用事例を用意しているので、その中から必要な部分を切り取って持って行きましたね。
全庁展開が決まった後は、幹部職が集まる定期的な会議で、上司からLoGoチャットについて周知してもらいました。そのままの流れで、資産管理ソフトを使ってLGWAN端末にデスクトップアプリの強制インストールも行いました。
ーLoGoチャットのアカウントを配付するときに意識したポイントはありますか。
(王寺町・中俣)王寺町の職員数は約250名とそこまで多くないので、職員のログインIDとパスワードを紙に記載して、各課に手渡しました。個人で利用しているSNSと同じような使い方なので、そこまで操作は難しくないという話をしましたね。一部チャットの導入に懸念を示す声もありましたが、その時は理由を直接ヒアリングするようにしました。例えば「セキュリティは大丈夫か」や「個人のスマートフォンにアプリを入れて、通信量を使うのは抵抗がある」という声に対しては、個人用SNSと比較したLoGoチャットの安全性や通信量について説明をしました。
ー中野市様では、全庁展開までどのようなステップを踏まれましたか。
(中野市・金井)先ほどお伝えした3市の共同化プロジェクトを背景に、中野市職員のうち90人くらいがLoGoチャットを使っている状態でした。すると次第に「あの人にはLoGoチャットで連絡ができるけど、この人にはできない」という状態が出てきたので、無料トライアルを活かして全庁展開することにしました。
まず、全庁に係る連絡調整を図る会議にLoGoチャット全庁展開に係る案件提出をしました。チャットの導入に反対する職員は少なかったですね。その後はグループウェアの掲示板でLoGoチャットの導入を周知し、招待メールを送りましたが、アカウントの登録は自然と広がっていきました。一部、人事部署からは「プライベートのやり取りをする職員が増える可能性がある」という声もありましたが「立ち話も同じじゃないですか」と話をしました(笑)。
ー無料トライアルを終え、本格展開にあたって、庁内の調整はどのように行いましたか。
(中野市・金井)LoGoチャットは月ごとにアカウント数の分、料金が発生するので財政部門との調整はありました。しかしトライアル中に財政部門の職員も使っているので、便利なことを体感しており、大きな指摘はありませんでした。加えてトラストバンクさんからいただいた、業務時間の削減効果の資料も一緒に提示することで定量的な効果を示し、納得してもらいました。
(王寺町・中俣)中野市さんと同じで、無料トライアルの時に財政部門も三役もLoGoチャットを使っていたため、スムーズに話が進みました。口頭や資料だけで、有効なツールかどうかを判断してもらうのはなかなか難しいと思うので、実際に触って体感してもらうようにしましたね。有償契約に切り替える前には、職員にアンケートを取りました。「LoGoチャットを今後も利用したいか」という内容で、約95%の職員が「利用したい」と回答してくれました。その結果を財政部門に渡すことで、同意を得やすかったと思います。
ー無料トライアル中にやっておいて良かったことはありますか。
(王寺町・旗谷)そうですね…。あまりトライアルであることを意識せず、本格導入したものとしてガンガン利用していました。
(王寺町・中俣)情報担当はアカウント管理の面などで、全庁展開は少し大変かもしれません。しかし有償になってからでは「みんな本当に使うのか」「本当に効果があるのか」という質問に明確に答えきれない面もあるかと思います。そのため、やって良かったこととしては、無料トライアル中に全庁展開したことでしょうか。
(中野市・金井)中野市でも、トライアル中に多くの職員に使ってもらったのが良かったと思っています。より多くの人に使ってもらう工夫として、LoGoチャットがすぐに目につくようにブラウザのホームページに登録したり、資産管理ツールでデスクトップアプリを配付して、スタートアップ起動を必須にするなどの設定をしました。中野市ではLoGoチャットのアカウント登録が招待メール形式のため、「何月何日現在、どのくらいの人が登録完了しているか」をグループウェアで掲示してリマインドも行いました。
ーLoGoチャット利用にあたって、ルールは定められましたか。
(王寺町・中俣)最初はいろんなシーンで使ってもらいたかったので、いいのか悪いかわからないですが、細かいルールは設けませんでした。最低限、「個人情報は載せない」とか「ハラスメント発言はやめましょう」などですね。職員アンケートの意見を反映して追加したマナーもありますが、あまり最初からガチガチにルールを決めていなかったのが実情です。
(中野市・金井)中野市でも、ルールは最低限の内容にしました。「業務上の利用にとどめてください」とか「情報セキュリティポリシーを遵守しましょう」などの内容です。
ーモバイルアプリはどのように活用されていますか。
(中野市・金井)中野市では85%くらいがモバイルアプリを利用していますが、実は強制はしていません。モバイルアプリの利用希望者は、申請フォームから利用申請をするよう周知しています。(申請受付後は端末認証コードを発行)
(中野市・金井)利用促進という意味では、令和3年4月からテレワークが始まりました。その際「テレワークを希望する人は、LoGoチャットのモバイルアプリが必ず入っていること」という条件をつけたんです。テレワークを実施してみたい職員も多かったようで、急激にモバイルアプリの利用が広まりました。コロナワクチンの接種業務の連絡をLoGoチャットで行いたいという話も挙がり、モバイルアプリは自然と広まっていきましたね。
(王寺町・中俣)王寺町も、モバイルアプリの利用率は9割を超えています。アカウント配付の際、ログイン方法とID・パスワードを記載した紙を配りましたが、その中にログインの方法もまとめて1ページにしました。
(王寺町・中俣)外出が多い職員は写真の共有でモバイルアプリを使ったり、休日のボランティア清掃では、雨天時の中止連絡もモバイルアプリで行うことになりました。業務での利用を通じて、多くの人がモバイルアプリの便利さを感じてくれたのではと思っています。特に企画課の課長はLoGoチャットのファンになってくれて、モバイルアプリの有効性をズバリと職員に伝えてくれたのも印象的でした。
導入後の変化 ~緊急連絡や外出時の連絡もスムーズに。働き方が大きく変化。
ーLoGoチャットを導入して、どのような変化や効果を感じていますか。
(王寺町・中俣)私たち情報担当の場合、パソコンや機器に関する問い合わせが大小さまざまあります。LoGoチャットを導入する前は、出張や外出から戻ってくると電話メモが自席にたくさん貼ってあり、げんなりすることもありました。LoGoチャットのモバイルアプリを使えば、外出先でもちょっとした空き時間で問い合わせに対応することができます。庁舎に戻って対応しなければならない仕事も、外出先から事前に心づもりができるので、業務がかなりスムーズになりました。
緊急時の連絡にも役立っています。王寺町では日直制度が残っており、土日に婚姻届や死亡届を提出される方の対応を職員が交代で行っています。何か緊急対応が生じた場合、今までは個人的に連絡先を知っている職員に電話をしたり、緊急連絡をする部署に電話が繋がったら何とか対応できる、という状況でした。現在は多くの職員がモバイルアプリを入れているため緊急時も全員の連絡先が分かり、日直業務が安心して行えるようになりました。
(王寺町・旗谷)他の部署とコミュニケーションを取るとき、電話だとお互いの時間をかなり消費してしまいますが、LoGoチャットであれば相手が返事できるときに対応してくれます。お互いの時間を有効活用できていると思いますね。
(中野市・金井)基本的に業務のコミュニケーションはLoGoチャットで行っています。ファイルの共有も、今まではファイルサーバーの共有領域で受け渡しをしていましたが、今はLoGoチャットで直接ファイルを送っていますね。電話はどうしても必要な場合のみ使っていますが、LoGoチャットにも通話機能があるので、以前ほど内線が鳴らなくなりました。働き方はだいぶ変わったのではないかと思います。
ープラスアルファで「こうしておけば良かった」と思うことはありますか。
(王寺町・中俣)職員アンケートを取ったときに意見が多かったのは「土日・祝日や夜間・時間外にもチャットが送られてくる」という声です。確かに緊急の連絡であれば仕方ないですが、急ぎでない案件も土日にチャットが送られてくることがあります。最初に最低限の利用ルールを定めましたが、その中に使い方のモラルについても一文入れておけば良かったと思っています。
(中野市・金井)王寺町さんと全く同じことを言おうと思っていました(笑)。休日にチャットがたくさん飛んでくるのが課題です。展開当初に「利用は業務時間中にしましょう」とさらっと周知しましたが、明確にルールとして謳えばよかったと思っています。
今後の展望
ー最後の質問です。今後のLoGoチャット活用について、展望があれば教えて下さい!
(中野市・金井)最近議会事務局の方から、議員さんとLoGoチャットを使って連絡を取りたいという話がありました。健康関連の部署からも、医師会や医療機関とのやりとりでLoGoチャットを使いたいと声をいただいています。ルールを検討しつつ、最終的には議員さんや医療関係の方にもLoGoチャットを使っていただき、少しでも業務の効率化ができればと思っています。
(王寺町・中俣)王寺町でも、LoGoチャットの利用シーンを増やしたいと思っています。その取り組みの一つとして、ワーキンググループのようなものをチャットでいくつか組んでいます。利用の中で生じている課題としては、チャットが情報共有の場にはなっているものの、グループの人数が増えるにつれ参加者が発言しにくくなる、ということ。人数が増えても活発にチャットで意見交換できるよう、検討していきたいです。
質疑応答
ーグループウェアとのすみ分けはどのようにされていますか。
(中野市・金井)中野市で利用しているグループウェアは最低限の機能のみ備わっているもので、チャット機能がありません。そのため、メールとは異なり気軽に情報共有ができるという点ですみ分けています。LoGoチャットは通話機能があったり、スマートフォンでも利用できるので、その点はグループウェアとの違いになると思います。
(王寺町・中俣)王寺町ではグループウェアは使っておらず、メールは各端末に標準で入っているメーラーを使い、スケジュール共有は無料のツールを利用しています。グループウェアの導入を検討しているときにLoGoチャットと出会いましたが、LGWANだけでなく、モバイルアプリでインターネットからも使えるという点は大きなメリットでした。
ー避難所にいる職員との連絡手段として、LoGoチャットを活用された経験はありますか。
(王寺町・中俣)LoGoチャットを導入してから避難所開設の事案が発生しておらず、実際に避難所で使った経験はありません。ただ過去に災害対応をした際、情報連絡が大変だった経験があるので、今後はLoGoチャットのモバイルアプリが有効に使えるのではないかと思っています。防災担当の部署とも、災害時はLoGoチャットを使う想定で話をしています。
(中野市・金井)中野市では現在、災害時にLoGoチャットをがっつり活用しようと検討が進んでいます。今年度の防災訓練ではLoGoチャットを使い、災害対応、物資運送、道路、避難所などのグループを予め作りました。トーク内のすべての情報を災害対策本部に共有すると処理が大変なので、本部に報告すべき情報を精査するグループを中間に作成し、中継するようにしています。実際に避難訓練をやってみて、この運用は有効に機能していると感じています。
▼防災関連のLoGoチャット活用事例は、Publitechファンでも公開中!
最後に・・・
ーLoGoチャットを利用・検討している自治体様に向けて、ひとことお願いします!
(王寺町・中俣)全職員に実際に触ってもらうことで、LoGoチャットの便利さを実感してもらえました。ぜひ無料トライアル期間を活用して、多くの職員さんにLoGoチャットを体感いただければと思います。
(中野市・金井)王寺町さんと同じで、無料トライアルの期間を上手く使いながら、なるべく多くの人に使ってもらうことをお勧めします。何かあればトラストバンクさんに聞くとお手伝いしてくださるので、大きな規模でぜひスタートしてみてください。
※本記事は、パブリテックトークLIVE Vol.3(2023年1月31日実施)の内容を抜粋したものです。
中野市様、王寺町様、ありがとうございました!次回のパブリテックトークLIVEも、お楽しみに!