
毎年約1,400人分の事前問診票を紙で運用し、大きな業務負担を抱えていた山口県山口市様。
同市はノーコード電子申請ツール『LoGoフォーム』を活用し、7枚にも及ぶ紙の問診票をQRコード一つに集約させました。
デジタルへの抵抗感を乗り越え、行政サービスを向上させた問診票オンライン化の成功理由と具体的な経緯を詳しくご紹介します。
紙の問診票がもたらしていた課題
山口県山口市様では、5歳児を対象にした発達相談会を毎年実施しています。
この年齢は言語・運動・社会性の発達が著しく進む時期であり、保護者と園からの事前問診が支援の第一歩となります。
従来は、1人あたり7枚にも及ぶ紙の事前問診票と案内文を印刷・配布・回収し、データ管理のために入力し直す必要がありました。そのため、対象となる約1,400人分の事務負担は膨大でした。
加えて、問診票記入時から相談会当日までの期間が長く空いてしまうため、問診票の写しを再送する必要もあり、業務効率の観点からも改善が求められていました。
LoGoフォーム導入で実現した 100%オンライン化
こうした状況を改善するために、山口市ではLoGoフォームを活用し、問診票の100%オンライン化に取り組みました。
導入にあたっては、総務部デジタル推進課と子ども未来部子育て保健課が中心となり、園や医師・心理士との合意形成を丁寧に行いながら段階的に移行しました。
最終的には「紙の受付は原則行わない」という方針を関係者と共有し、必要最低限の紙対応のみとする柔軟な体制を整えることができました。
問診票はQRコード付きの案内文1枚に集約され、保護者はスマートフォンやパソコンから24時間いつでも回答可能になりました。

オンライン化のメリット・効果
オンライン化により、事務負担は大きく軽減されました。
印刷、仕分け、郵送、データ入力といった作業が不要になったほか、従来再送していた問診票も「デジタル窓口」機能を通じてマイページから参照できるようになりました。
これにより、年間約120時間の業務時間削減と約70%の紙コスト削減が実現したといいます。
また、設問数の多い問診票でも一時保存機能で途中の回答を保存できるため、保護者の方々が無理なく回答を完了できるようになったことも、大きなメリットです。

関係者全体の理解と協力が成功のカギ
オンライン化にあたっての最大のハードルは、関係者との合意形成でした。
特に、医師や心理士からは「筆跡が読めないと保護者の精神状態が分かりづらくなる」といった懸念の声も。
しかし、「反対意見は『分からない』ことへの不安から出る」という思いから、文章表現からも様子は十分に読み取れること、相談会では保健師によるヒアリングがあることを丁寧に説明することで、最終的に理解を得られました。
また、園の先生方にも実際にLoGoフォームを操作してもらい、保護者からの質問にも対応できるように準備。
その結果、移行初年度こそ多少の戸惑いはあったものの、2年目には大きなトラブルなく円滑に運用できたとのことです。
今後の展望と全国自治体への示唆
本事例では、オンライン化に抵抗感を持つ層に対しても、丁寧な説明を続ける真摯な姿勢で合意形成を進め、オンラインでの運用を実現できた点が特筆されます。
アンケートによると、保護者の6割、園の7割以上がオンラインでの回答を希望。今後はBPRも視野に入れており、さらなる業務フローの最適化が検討されているということです。
紙による煩雑な運用を見直し、行政手続きの質と効率を同時に高める山口市様の取り組みは、他の自治体にとっても大きなヒントとなる先進事例です。
