あなたの役所にもある「春の風物詩」、終わりにしませんか?
4月。新年度と共に申請手続きが窓口に殺到し、てんてこ舞い。多くの自治体職員が経験する「春の風物詩」です。通常業務は圧迫され、残業が続き、市民には長い待ち時間を強いることになります。この悪循環を断ち切りたいと願いながらも、「うちでは難しい」と諦めていませんか?この記事では、そんな悩みを抱える自治体職員の皆様へ、希望となる成功事例をご紹介します。
今回は、東京都にある東大和市教育委員会 教育部 教育総務課のお二人にインタビューしました。LoGoフォームを用いた大規模なオンライン化を就学援助費支給申請業務において実現された成功の秘訣と、オンライン化を進める上で多くの職員様が直面するであろう課題をどう乗り越えたのか、具体的なエピソードを交えてご紹介します。
(取材日:令和7年10月14日)
◆お話をうかがった方

東京都東大和市 人口:84,851人(令和7年8月31日時点)
教育部 教育総務課
主査 石井康真(いしいやすまさ)様(写真右)
主事 田所大樹(たどころだいき)様(写真左)
部署として掲げた目標に向けての挑戦
ー 「就学援助費支給認定申請」をオンライン化する前は、どのような課題がありましたか?
田所様: 一番の課題は窓口の混雑でした。毎年4月に申請が集中するため、年間約400件の申請が1か月に集中します。日によっては20分程度の待ち時間が発生する状況でした。また、4月には臨時的に土曜日も出勤して係の職員全員で対応しており、平日は他の係の職員の協力をもらわないといけないほど通常業務に支障が出ていました。
ー 市民の方にとっては、どのような課題がありましたか?
田所様:平日の開庁時間のみの受付であったため、申請に来る市民の方は、仕事を休むなど都合をつけて平日に来庁していただかなければいけませんでした。また、制度の性質上、窓口で申請しているところを知人に見られてしまう場合もあるなど、市民の方の精神的な負担に繋がっているのではないかということも懸念していました。
ー 色々な意味で、紙での申請は負担が大きかったのですね。
田所様:このような課題感と、市としてデジタル化により申請をオンラインで行うことができる「行かない市役所」を目標に掲げており、「就学援助のオンライン化」の取り組みを始めました。去年、他の似たような申請で試験的にスモールスタートをして、今年は本格的に運用をスタートしたという流れです。
複雑なヒアリング内容も、マニュアル不要でオンライン化
ー 紙の申請書をフォーム化するにあたり、マニュアル等参考にされたものはありますか?
田所様: 他自治体のフォームを参考にしつつ、市の様式に合わせて一から作りました。忙しくて参照する余裕がなかったというのが正直なところですが(笑)、マニュアルは一切見ずに、色々ボタンを触ってみてこんな機能があるのかと発見しながら作業を進めました。もちろん、行き詰ったら庁内の詳しい方に相談もしましたが、直感的にフォームを作成することができました。
ー 紙の申請書をフォーム化するにあたり、どんなところを意識されましたか?
田所様: 申請者にとって分かりやすいフォームにすることです。例えば、児童・生徒の人数を入力するとその数に応じた申請情報の枠が出てくるようにしたり、重複項目は表示条件設定を使って入力を省けるようにしました。また、実務面では押印や自署が必須だった部分の代替をどのように実現するか、申請内容に不備があった場合の対応をどうするかなど検討すべきことがたくさんありました。申請に押印を不要とするにあたり、LoGoフォームの機能を使って、申請者と振込先が確実に同一でないと申請できないようにしたり、万が一不備があった際にこちらからアプローチできるようにメールアドレスや電話番号を入力してもらうようにもしました。
ー 様々な機能を使いこなされていますね。
田所様:特に工夫したのは、これまで窓口で聞き取っていた内容をどうフォームに落とし込むかということです。窓口であれば申請者との対話の中で対応できますが、オンライン上ではそうはいきません。そこで、例えば「給与収入以外に収入がありましたか」という質問を作って、申請内容に漏れがないようにしました。
ー 今回のオンライン化するにあたり、役に立った機能はありましたか?
田所様: PDF帳票出力機能には感動しました。申請者が申請した情報以外にも、内部管理用の補足情報として、申請された順番や回答された時間も出力できるので、申請後の事務処理がとてもスムーズになりました。また、回答一覧画面でステータス管理ができる機能も、複数人で進捗を共有する上でとても役立ちました。
業務削減と市民満足度向上を両立
ー オンライン化の効果はいかがでしか?
田所様: 約400件の申請のうち、300件以上がオンラインで申請され、オンライン申請率約80%を達成しました。このことにより、窓口の混雑がほとんどなくなりました。申請のために来庁する方も、日によって数件程度ありますが、以前より「きめ細かな窓口対応」ができていると思います。また、以前は4月の窓口対応に15時間ほどかかっていましたが、約2時間へと87%削減されました。そのため土曜日出勤も削減できました。少し余裕が出きたことで、この時期に集中する他の業務にも目が向けられるようになったのは大きな成果です。


ーすごいですね。どのように周知されたのですか?
田所様:ホームページ以外にも 市報やLINEアカウントなどの方法で周知しました。
石井様:就学時健康診断のときにも申請者(保護者)に直接案内しておりますが、その際チラシのみを配布し、紙の申請書は渡さなかったこともよかったのかなと思います。

ー 市民の反応はいかがでしたか?
田所様:市民の反応を知りたくて申請フォームにアンケートも付けたのですが、そこには「仕事を休まずに申請できて助かった」「オンラインで申請できて感謝している」といった声が多数寄せられました。このようなお声をいただき、オンライン化することで市民の負担をこれほど減らせるのかということに、私たちも改めて気づかされました。ご意見もいただきましたが、すぐにフォームを修正して反映することができたので、それもとてもありがたかったです。
▼市民の方のお声(一部)
- 仕事を休むことなく手続きができて、ありがたいです。
- 市役所まで子供を自転車に乗せて行くのがいつも大変でしたが、オンラインで済んでとても助かりました。質問できないため大丈夫かなと思いましたが、何とかできたので直接行くよりとても楽でした。
- 窓口まで行かずに済む上、添付書類もその場でカメラを立ち上げて撮影でき、添付も手間なく即アップロードでき、大変有り難いです。
- 前回の申請時に同意書のダウンロードと印刷が大変だったが、今回改善してくださってやりやすかった。説明書きも分かりやすく申請もスムーズにできて良かった。
他部署からの協力を得て、全庁として初めて大きな事例を創出
ー 庁内でのやり取りはスムーズでしたか?
田所様: 各課でLoGoフォームを利用することはありましたが、これだけ申請数の多い手続きのオンライン化は、実は私たちが初めてでした。ですから、あまり前例がない中で他部署の協力を得られるかということも心配でした。
石井様:どの自治体もオンライン申請の推進を検討していると思いますが、実際には関係課の綿密な調整や例規整備などのハードルもあります。
ー 庁内の調整等たくさんの困難がある中で、乗り越えられたのはどうしてですか?
田所様:係長や課長が他部署との調整を積極的に行ってくれました。若手だけだとアプローチしづらい部分でしたが、上司のバックアップを得られたことで乗り越えることができました。他課の職員も、私が相談にいったときにはすでに準備してくれていて、とても感謝しています。今回の成功は、私たちだけの頑張りではなく、部署全体のチームワークと他部署との連携があったからこそだと強く感じています。
ー 今回の取り組みで、庁内全体での雰囲気はどのように変わりましたか?
田所様:同様の方法でオンライン申請を導入したい他部署から、実施方法等について質問が多くありました。現在は、他部署でもオンライン申請が導入されています。新しいものを始めることへの抵抗感が優先されて尻込みする職員が多いということはよくあると思いますが、実際始めてみたら全く問題ありませんでした。
ー 最後に、今後の展望について教えてください。
田所様: これまで職員一人が聞き取っていた内容を申請者からの記録データとして残し、職員間で共有できることに、オンライン化の大きなメリットを感じています。今後は、就学時健康診断の日程変更受付など、他の手続きにもオンライン化を広げていきたいと考えています。
まとめ:明日から実践できるアクションプラン
今回の事例から得られる学びは大きく、皆様の自治体でもすぐに実践いただける「はじめの一歩」を3つのステップでご紹介します。
STEP1:最も負担の大きい業務を「一つ」選ぶ
まず、部署内で「この業務が改善されれば、全員の負担が軽減される」という課題を一つ特定しましょう。年間で問い合わせが集中する手続きや、特定時期に申請が殺到する業務などが最適な候補です。
STEP2:同僚と上司に「相談」する
一人で課題を抱え込まず、同僚やDXに前向きな上司に「この業務をオンライン化できないでしょうか」と相談してみましょう。今回の事例のように、上司と共に組織目標に設定することで、推進力が大幅に高まります。
STEP3:完璧を求めず「まず体験」してみる
LoGoフォームは、マニュアルを読み込むより実際に触れてみるのが最短の学習法です。複雑な申請フォームをいきなり作成せず、まずは課内の簡易アンケートなど、失敗しても影響の少ない場面から試してみましょう。「意外と簡単かも」というその気づきが、大きな変革の始まりとなります。
変革には確かに勇気と労力が必要です。しかし、その先には職員の笑顔と市民からの「ありがとう」が待っています。この事例を参考に、ぜひDXへの第一歩を踏み出してみてください。
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