【イベントレポート】パブリテックトークLIVE Vol.2 ボトムアップで組織を変える。LoGoチャット推進のコツ!

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パブリテックトークLIVEとは、パブリテック事業の新たな試みとして、自治体ご担当者様のリアルな声をインタビュー形式でご紹介するイベントです。

 

第一弾が好評だったため、第二弾は時間を拡大しての開催となりました。どちらも庁内展開をボトムアップで進めて頂いた自治体様ですので、展開に苦労されている自治体様には特に、大いに参考にして頂けるかと思います!

 

■スペシャルゲスト プロフィール

◆滋賀県草津市

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経営戦略課 係長 村木 孝信氏(写真中央左)

行政経営係所属でRPAなどICT技術を活用した業務改善推進に努めている

経営戦略課 主査 寺田 博一氏(写真中央右)

村木氏と同じく行政経営係所属で、LoGoチャットに関する業務全般を担当

地域保健課 課長補佐 高井 雅之氏(写真左)

主な業務は地域包括支援センターの運営。保健師の活動支援やサポートを行っている。部署を横断した業務改善推進チームのリーダーも担当

議事庶務課 主査 竹田 茉美氏(写真右)

本会議・委員会の議事進行、行政執行部の調査関係、議員のサポートなど議会事務全般を担当。約二か月前より議会でのLoGoチャット活用を開始

 

◆新潟県燕市

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総務課 主事 小川 直晃氏(写真右)

法制執務、自治会業務、庁内における議会関連業務やふるさと納税業務など、総務業務を多岐にわたって担当

学校教育課 主任 安田 茂樹氏(写真左)

LoGoチャット導入時は情報部門を担当しており、現在は総務企画係の業務の他、GIGAスクール関連の補助も行う

 

導入前の課題と、期待していた効果

-LoGoチャット導入の背景や、導入前の課題について教えてください

(草津市・村木)令和元年7月より、滋賀県庁、草津市ならびに県内のいくつかの自治体で、スマート自治体滋賀モデル研究会が立ち上がり、先端技術の活用・研修や実証実験に共同で取り組んできました。その中で、県より「LoGoチャットをトライアルで活用してみないか」という話があり、研究会の中での日程調整や連絡事項をチャットで共有することになりました。研究会で利用する中で、草津市庁内でも活用してみようということになり、30ライセンスからトライアルを開始しまして、まずは庁内の2つのプロジェクト(RPAの利活用や人材育成/働き方改革)において、日程調整の他意見出しなどにもLoGoチャットを使ってみようとなりました。プロジェクトの運用で有用性を実感できたので、全庁での試行に広がりました。

 

プロジェクトチームでの導入はスムーズに進まれたのでしょうか?

(草津市・村木)RPAなど最新技術に関連するプロジェクトだったため、新たなツールに明るく、興味がある職員が多かったこともあり、積極的に意見出しなどで使ってもらえて、特段苦労した面はなかったです。

 

(燕市・安田)燕市はもともとふるさと納税でトラストバンクさんとつながりがあったのがきっかけで、トライアルを提案してもらいました。まずは有志で、使ってくれそうな人から使ってもらう形で、スモールスタートで導入を始めました。最初の有志メンバーがある程度使えるようになったところで、徐々に利用者を増やすため、次は使ってくれそうな課の若手職員に声掛けを行いました。利用者が増えるにつれて、「自分も使いたい!」という申し出もあり、導入の目標の8割くらいまではそういう形で広まりましたね。最後、どうしても使ってくれない職員については、有志のメンバーで声掛けをして回りました。

 

(燕市・小川)補足として、以前から庁内における情報共有の体制にネックがあると感じていて、その点が解決できるということが導入に当たり重視したポイントでした。総務部門は庁内からの内線電話が多く、普段の業務が圧迫されており、内線に次ぐ内線で先ほどまでの問合せの内容を忘れてしまうという課題を抱えていました。トップダウンではなく、人事部局・総務部局・情報部局それぞれの担当3人が有志で、問題解決のためにLoGoチャットを導入しようとする動き方は特殊かもしれないですね。今すぐ庁内の業務を改善したいというメンバーが3人そろったのが良いきっかけになりました。

 

導入するにあたり、どのような点に期待を寄せて頂いたのでしょうか。

(燕市・小川)現在は会計年度任用職員を含む、PCを所持している職員、約500名全員にアカウントを配布しています。係・部署の各トークルームで、特にノート機能が便利で、当市の解決すべき課題と捉えていた情報の見える化ができているなと感じます。導入後は引継ぎのマニュアルについてノート機能を使って共有したり、RPAのエラー履歴などを記録したり、チャットで情報連携する文化が根付いてきたように思います。

 

(草津市・村木)令和3年度の予算要求時点では、正規職員と会計年度任用職員分の全てを要求しましたが、まずは正規職員からということで、現在は950ライセンスほどで利用しています。係や部署、課横断のプロジェクトなどのトークルームがあり、部長級・副部長級のトークルームもあります。管理職で広がった要因として、今まではコロナ禍の情報共有を個人用SNSで行っていることもあったので、LoGoチャットに切り替えてくださいと案内をしました。燕市さんと同様にノートを使ったタスク管理も実施しています。

 

利用拡大の立役者は<LoGoチャットアドバイザー>の活躍

-両自治体ともにボトムアップで活用が広がったのですね。草津市様でトライアル初期から使っていたプロジェクトチームの方々は、現在どのような活用状況なのでしょうか。

(草津市・村木)RPA活用のプロジェクトチームが一番よく使ってくれて、「自分たちがアドバイザーになるので、ぜひ本格導入してほしい」という声も予算要求の背景にありました。今年度はRPAに関わらず業務改善全般を推進するチームに変わり、その取り組みの一環として、<LoGoチャットアドバイザー>という形で人数も増員して活動しています。「LoGoチャットで困ったことがあればチャットアドバイザーにご相談ください」という庁内ポスターを庁内のあちこちに掲載して職員に呼び掛けています。チャットアドバイザーのおかげで、経営戦略課だけに問い合わせが集中するということがなく、助かっています。

 

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啓発ポスターを作成し、庁内に掲載

 

-燕市様では展開時に何か工夫をされたことはありますか?

(燕市・安田)先ほどの導入についての箇所でお話した「使ってくれそうな人」というのは、最初の基本操作の説明まですれば、あとは自分で操作を覚えていってくれる人を指しています。そういった人が習熟したころにその課の課長に提案していく形をとりました。そうすると、課長が使い方で分からないことがあった際は、課の中で習熟した人に聞いて解決してくれるので、細かいサポーターを増やしていく形を自然ととれていたのかなと思います。

 

職員の意識に芽生える業務改善への工夫

-LoGoチャットの具体的な活用シーンを教えてください。

(草津市・高井)大きなところでは、電話時の伝言をLoGoチャットで残す運用に変えたので、電話時の付箋が不要になりました。付箋がなくなる心配もなく、共有したいことが間違いなく伝わるようになったと思います。また、2週間に一回課内会議がありますが、一切紙を使わずに実施できるようになりました。LoGoチャットのノートに会議日程や資料を掲載してあらかじめ全員が閲覧できる状態にしておき、当日も各自PCを持参してPC上で資料を閲覧することで、一切印刷物がない会議を実現できています。

 

-会議の中身について、変化を感じる部分はありますか?

(草津市・高井)作成する資料の質が高まったと思います。紙資料だと枚数が多くてもいいかなと思ってしまいますが、データだとページ数が多いと見るのが負担になるので、限られた枚数で要点を押さえた資料が作れるようになったと思います。他にも事前に資料を共有できることで、前もって目を通して会議に参加してくれる職員が増え、会議の時間短縮にもつながりましたね。

 

-草津市様では議会でもLoGoチャットを活用されているとうかがっています。

(草津市・竹田)議会ではタブレット端末を導入して配布しており、アクションスタンプを研修後のワークショップに活用しました。研修の理解度を深めるために、研修でのテーマに対して、どの意見に賛成か選んで回答してもらうといったようなワークショップのツールとして使用しました。議員が24名いるため、全員の考えや意見を個別に拾うのは難しいですが、チャットで回答してもらうことで、全員がそれぞれの考えを一覧で確認できるので、研修内容の理解がより深まると感じています。研修への出欠確認でもアクションスタンプを便利に活用していますが、回答者も五十音順に並ぶので確認しやすく助かっています。

 

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アクションスタンプをワークショップツールとして活用し、
研修の理解度を深めることに役立てている

 

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会議の出欠もアクションスタンプで実施。一覧で出欠が確認できるように

 

(燕市・小川)燕市ではコロナの影響で、庁内で各会議室や、廊下にパーテーションを置いて分散勤務をしていたことがあります。その際、誰がどこにいるか非常に分かりづらい状況だったのですが、LoGoチャットのプロフィール機能に自分の勤務場所を入れるルールにして、各職員の居場所が把握できるようにしました。一斉連絡で「プロフィール欄に居場所を入力してください」と案内を行い、案内後も入れてくれない人については、問い合わせ対応の際などに、都度入力を促しました。

タブレットを導入してペーパレスが進んだのは草津市さんと同じですね、LoGoチャットを活用して、会議の内容がコンパクトになったおかげで、会議を仕切るファシリテーターの質が求められるようになったのを感じています。

 

庁内での展開にあたり、困ったことや苦労したことはありますか?

(草津市・村木)未だに課題としてあるのは、所属長や係長の姿勢によって課の活用頻度に差が出ることですかね…「チャットとか苦手やし嫌いやねん」という上長がなかなか使ってくれないと、課員から相談があることもありました。コロナや災害対応の連絡共有では使ってくれても、日常業務となると浸透していかないというのが人によってはありますね。

 

(草津市・寺田)良いものは一度使ってもらえれば使い続けてもらえると考えているので、部長級が揃う会議などで実証実験への参加をお願いました。

 

(草津市・村木)本格導入後も、LoGoチャットを使ったペーパレス推進実験に協力してくれる課を募り、前年度の同月と紙の使用量を比較した結果について、庁内に広く周知しました。

 

-ペーパレス会議の実践方法については、経営戦略課から声掛けを行ったのですか?

(草津市・寺田)高井さんがリーダーをしているプロジェクトチームでペーパレスに関する取り組みを検討していただいており、各課で取り組みを行いやすいよう具体的な取組内容を記載した実施要領を複数作成してくれました。その中にLoGoチャットを活用したペーパレスの実施要領もありまして、現在、実施要領の効果を測定するために、協力してくれるモデル所属を募集しているところです。

 

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ペーパレスの具体的な取り組み方法について実施要項を作成
実施要領の効果を測定するためのモデル所属を募っている

 

 

まずは使ってくれそうな部署から。日頃からのコミュニケーションが草の根活動を後押し

-燕市様では、展開時の苦労した点はありましたか。

(燕市・安田)やっぱり管理職が使わないと課内で広がらないという感覚があったので、まずは使ってくれそうな課長がいる課からアプローチをかけました。庁内で行われる業務改善発表会で、LoGoチャットを使って業務改善ができたという事例が出てくることもあり、知名度が上がっていったのかなと思います。最初はすごい拒否を示した職員もいましたが、「とりあえず一回使ってみてください!」と言葉巧みに説得しました。使い始めてもらったら「これはいい」と言われることが何件もありました。ひとまず一回使ってみてもらうことを目標に、時間をかけて戦略を変えて説得したことが苦労と言えば苦労かもしれないです。

 

ボトムアップで進めていると、管理職の方々からの反発などで苦労されることはなかったですか?

(燕市・小川)自分がいる総務部局も日ごろから他の管理職からの相談が多かったり、様々な課の職員から相談がよくきたりという場所なので、上の方にも「こんな方法はどうですか?」とアンテナ役として、LoGoチャットを推進しやすい環境があったのかなとは思います。

 

日ごろからコミュニケーションが取れて関係性ができていたことも、草の根活動をしやすい背景にあったのですね。

最後に、導入したLoGoチャットを今後、どのように活用していきたいか教えてください。

(燕市・小川)当市では、LoGoチャットが職員に根付いて、サポーターも多くなってきたとは感じているので、草津市さんの話を聞いて、今後は公式にサポーターやアドバイザーになってもらう職員をつくる取り組みをやりたいと思いました。今課長級職員の中で実施している業務改善発表会について、担当者レベルでも実施していくなど、根付いた環境を花開かせることに注力していきたいと思っています。

 

(燕市・安田)チャットは特別なものではなくなって、日常のツールとして使うのが正しい使い方だと感じているので、日常に溶け込んだツールとして活用していきたいと思っています。

 

(草津市・寺田)来年度は会計年度任用職員にもアカウントを付与し、活用していきたいと思っています。LoGoチャットを使う人が増えることで、さらに業務改善につながると期待しています。予算要求がこれからなので確定ではないですが、会計年度任用職員にも基本的には全員に使ってもらいたいと考えています。

 

【参加者からの質問タイム】

Q.1グループウェアとチャットの併用について、何か使い分けルールなどは敷いていらっしゃいますか?

(燕市・小川)UGでの共有事例を参考に、各ツールの使い分けについて使い方のガイドラインを作成して庁内に案内しました。

 

-財源の観点からグループウェアとチャット、どっちか選択しなければならないということはなかったですか?

(燕市・小川)査定の段階で財政部局もチャットを利用していたことも大きかったと思いますが、更にトップの合意獲得について、ボトムアップでの実績を掲げ、頑張りました。費用対効果としても、トライアル中にかなり活用できた実績があったので、トライアル中の算出効果と、チャットの特長を説明した資料やツールの使い分け資料を用意して、早い段階で有用性を示せたことが、ツールの選択を迫られず、市長や財政部局からの合意を得られた要因だったのかなと思います。

 

(草津市・寺田)燕市さんと同様に、使い分けとしてはUGでの情報を活用しながら、グループウェアは、外部とのメールや庁内に広く周知が必要な場合に使用しています。LoGoチャットは、職員間のやりとりで利用するように案内をしています。

 

Q.2市長や副市長もLogoチャットのアカウントは持っていますか? 登録している場合、どのような運用をしていますか。登録すると職員から直接メッセージが届くことが可能となり、様々な懸念があるので踏み切れていません。

(草津市・寺田)市長・副市長含めLoGoチャットを使ってもらっています。ただし、市長・副市長は、一般職員とは別の組織に所属してもらい、秘書課の職員などを除いて一般職員から直接、連絡が行えないように運用しています。

 

(燕市・小川)副市長と教育長にはアカウント配布をしていますが、市長は使っていません。いただいた質問と同じく懸念があるという声が秘書からあり、市長については現在、使っていないという状況です。

 

Q3.財政部局との調整をどのように進めましたか? 旧態依然の部署への利用促進はどのように進めたのかうかがいたいです。

(草津市・寺田)予算要求資料を作り込んで、導入するとこういう効果が見込めるということを明示しましたが、トライアル中であったため削減効果が検証できたというわけではありませんでした。まずはLoGoチャットの便利さや必要性を肌で感じてもらえるよう、財政部門と経営戦略課のトークルームを作って、追加資料の要求など、予算要求業務に使ってもらうように環境を整えました。

 

(草津市・村木)冒頭でもお話した通り、スマート自治体滋賀モデル研究会の中で、LoGoチャットを採用していこうという話があり、近隣の市町でもほとんど導入するという状況も後押しになったと思います。

 

Q.4LoGoチャットを使わざるを得ないような仕掛けを何か実施されていますか? 利用促進の事例を参考にしたいです。

(燕市・安田)強制はしていませんが、普及率が高いので、「みんなが使っているから自分も使わざるを得ない」という状況になってきていますね。やはり最初に職員各自のPCにアプリを入れて回ったのが大きかったとは思います。回る際にはメモ帳ボットの利用案内も併せて行いました。

 

(燕市・小川)あとは本当に簡単なところですが、宅配便等が届いた際の連絡を、以前は総務から電話で各課へ連絡していたところ、荷物連絡用のトークルームを作り、LoGoチャットでの連絡に替えました。LoGoチャットがこんな風に使えるんだよという事例を一つずつ見える形で提案していったのも効果的だったと思います。

 

(草津市・寺田)強制的な縛りは設けてはいませんが、経営戦略課からの依頼などは「LoGoチャットで回答をください。」といった案内は行っています。

 

(草津市・村木)ただコロナ関連の連絡のやり取りと、全部ではないですが災害時の連絡共有についても、危機管理課からLoGoチャットを使ってくださいと強めに案内をしているので、ある程度徹底されているとは思います。

 

※本記事は、パブリテックトークLIVE Vol.2(2021年10月26日実施)の内容を抜粋したものとなります。

 

パブリテックトークLIVEは、今後も月に一度の開催を予定しています。

今回は参加できなかったみなさまも、ぜひ次の回へのご参加をお待ちしています!