【LoGoチャット導入事例】埼玉県東秩父村 会議をチャットに置き換え、意思決定の効率化と質向上を実現

東秩父村は埼玉県西部に位置する県内で唯一の村です。

小さな自治体でのLoGoチャット導入の効果、そして活用方法について伺いました。まだまだメールや口頭でのやり取りは多く残っているといいますが、会議の効率化にはすでに大きな効果が出ているようです。

(取材日:令和3年8月19日)

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お話をうかがった方

企画財政課 田幡裕右氏(写真左)

企画財政課 内野健太氏(写真中央)

総務課 高橋倫晃氏(写真右)

 

埼玉県秩父郡東秩父村

◆人口:2,658人(令和3年8月1日現在)

◆世帯数:1,069世帯(令和3年8月1日現在)

◆予算規模:19億8600万円(令和三年度当初)

◆面積:37.06km²

 

■ LoGoチャットを導入した理由・背景を教えてください。

「業務改善」「コミュニケーションの向上」「防災対策」の3つが主な導入目的でした。庁内の職員に対してファイルを1つ送るのにも、メールのタイトルと宛先、挨拶文を入力しなければならないのは非常に煩わしく感じていましたが、チャットであれば、サクッと送れて時間を短縮することができます。また、対面や電話、メールといった現状の連絡手段では、ちょっとした相談がしづらい雰囲気もありますが、チャットに置き換えることで職員同士のコミュニケーション回数の増加も狙いとしていました。さらにチャットでは、現場や自宅にいる職員も含めて一斉に安否確認を取ることができるため、災害をはじめ有事の際の対応にも活用できると考えました。

 

■ LoGoチャット導入の決め手となったポイントはどこでしたか。

LGWAN環境でも使えるという点ですね。導入以前、現場からの情報の伝達や共有は電話を通して行うことが主流で、写真も含めた正確な情報をリアルタイムで伝えることが難しいという課題を抱えていました。撮影した写真を共有したい場合には、帰庁後に一旦PCに取り込むための各種処理を施していました。LoGoチャットであれば、スマートフォンで現場の写真を撮影してすぐに状況を共有することができるので、スムーズなやり取りが可能です。

また、トラストバンクのサービスとしては以前から「ふるさとチョイス」を利用していたので、会社に対する信頼感もありました。ユーザーグループを通じてLoGoチャットを導入している自治体とやり取りができる点も魅力的に感じました。

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■ LoGoチャットの活用状況を教えてください。

課局、担当、会議ごとにルームを作成し、運用しています。災害時の情報共有や緊急連絡用に全職員ルームも設けています。

例規審査会の会議をLoGoチャットに置き換えることができたのは大きいですね。従来は対面で2〜3時間掛けて実施していましたが、LoGoチャットを導入したことで、会議による拘束時間の短縮・縮減に成功しました。1週間程度掛けて何回かメッセージのやり取りをすれば、チャット内だけで合意に至ることができます。また、対面の会議では若い職員から発言しづらい雰囲気がありますが、チャットであれば誰もが意見を言いやすく活発な意見交換ができる点や例規における知識やノウハウが蓄積できるため、議論の質も向上していると感じています。

 

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例規審査会のチャット会議のトークルーム

 

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ノート機能を活用し告示事項を共有

 

■ 他にはどのような導入メリットを実感していますか。

以前は職員が少ないために担当者の不在時や休暇中はその業務がストップしてしまうことがありましたが、普段からLoGoチャットで業務の情報を共有しておくことで、住民サービスを滞らせることなく対応することが可能になりました。新たに担当となった職員でも、過去の経緯をルームごとに確認できるので、引き継ぎもしやすくなりました。

 

■ 導入後、庁内での浸透においてお困りになったことや工夫したことはありますか。

コロナ禍により在宅勤務制度が試行的にスタートしていたので、LoGoチャットで在宅勤務の開始と終了の報告をするという決まりを設けることで、まずは職員に使ってみてもらうよう働きかけました。また、すべての課のルームに私たちも参加し、使い方に関するアナウンスも行っていきました。

現在は徐々に慣れてもらっているところですが、まだまだメールや口頭でのやり取りは多いです。若い世代の職員は比較的スムーズにチャットへ移行していますが、50代前後の課長職の職員はやはりいまだにメールを利用しています。今後は、課長職のなかでもLoGoチャットを積極的に使っている人を中心に広げていこうと考えています。

 

■ 自治体のユーザーグループはどのように活用していますか。

情報システム関連のグループは活発に動いているので活用させていただいています。特に普段、情報システムに関する業務は田幡がほぼ1人で担当しているので、他の自治体の方々に質問できたり、情報を共有してもらったりできるルームは非常に助かっています。

 

■ 導入したLoGoチャットを今後どのように活用していきますか。

今年度からの職員防災訓練に利用したいと考えています。災害時、村内の各所に散らばっている職員の状況をリアルタイムで確認できるので、安否確認や避難所設営時の連絡手段としてLoGoチャットは必要不可欠なものだと思っています。

 

■ 今後の行政DXの方針やビジョンを聞かせてください。

現状はどのようなDX推進計画を策定すべきか情報収集をしているところです。東秩父村は埼玉県内で唯一の村であり、高齢者人口の比率が高いことが特徴です。こうした状況でICT環境が年々複雑化するなか、無闇矢鱈に行政DXを強行するわけにもいかないと考えています。国や県の動向を確認しながら、住民の皆さんが真に望むことは何かを考え、慎重に進めていきたいです。