香川県庁様では、県と県内の全市町様が参加されている「かがわDX Lab」の取り組みの中の連絡手段として、LoGoチャットをご利用されています。自治体同士の連携においてLoGoチャットを使うことで、従来のコミュニケーションがどう変わったのか、運用開始後の工夫についても伺いました!
(取材日:令和4年11月28日)
◆お話をうかがった方
政策部デジタル戦略総室デジタル戦略課 主任 寺西 加居氏(写真右)
政策部デジタル戦略総室デジタル戦略課 主任 上神田 篤史氏(写真左)
◆香川県
◆人口:935,483人(令和4年6月1日現在)
◆世帯数:408,885世帯(令和4年8月1日現在)
◆予算規模:495,280百万円(令和4年度当初)
◆面積:1,877 km²
■はじめに、「かがわDX Lab」の取り組みについて教えてください。
民間事業者・県・県内全市町が集い、学び、交わり、共創する新たなコミュニティとして令和4年4月にかがわDX Lab(以下、「ラボ」とします。)を立ち上げました。香川県は日本でいちばん面積が小さく、市町の数も17と少ないということで、香川県全体をひとつの生活圏ととらえ、データやデジタル技術を利活用した地域課題解決の取り組みを始めているところです。
■連携組織への参加者について教えてください。
現在はまず、県と県内の全17市町の担当者間での連携を密にすることに注力し、専門的見地からアドバイスをしてくれる外部人材(フェロー)が連携組織に参加するとともに、民間事業者の方々にはテーマ毎にゲストとして情報提供や意見交換をする形で参加していただいています。
各市町からは、LoGoチャットの連携組織に現在87アカウントほど参加していますが、主にラボの窓口担当のほか、テーマに応じて各担当職員も参加しています。
今年度はまず、県と市町で香川県の課題を掘り下げていき、来年度からは県内外の民間企業様にも連携組織に参加いただいて、課題解決に向けた実証実験を始めていけたらと考えております。
■LoGoチャットを使って市町様と連携しようと思われたきっかけを教えてください。
従来のメールという手段だと、各課の代表アドレスにメールが届き、その後担当者に転送するという方法だったので、情報共有にタイムラグがありました。さらに実際にそのメールが読まれたかどうか確証がもてないところも課題として感じる中で、みんなが気軽に・迅速に情報共有ができる手段としてチャットツールを検討しはじめたのがきっかけです。そこで自治体向けの情報誌などでLoGoチャットを拝見し、チャットツールの中の一つとして検討しました。
■連携組織の運用を始める際に、何かルールや規約を作成されましたか?
連携組織に参加する際に、プロフィールに所属団体や名前の記載をお願いしていますが、基本的にはルールを設けずに運用をはじめました。
なかなか改まって聞きにくいことも、聞ける場にしたい…という想いから、県の職員は親しみやすい文章での投稿を心がけており、市町の職員も思いつくことがあれば気軽にメッセージを送ってくださいとお伝えしています。
ただ、参加人数も増えてきましたので、今後は円滑に運用していくために最低限のルールを作成する必要があると感じています。
■連携組織の参加方法について、どのようにされているのか教えてください。
各市町から連携組織に参加する人数や人選等は特に県では定めず、各市町にお任せしています。各市町ではラボの活動の深化に合わせて、適宜連携が必要な方を追加してくれており、当初の予想を大きく上回る人数の方々が連携組織に参加しています。
■現在、どのようなトークルームを作成されていますか。
トークルームの作成ルールは特に設けていないため、参加者が必要に応じてトークルームを作成しています。県が最初に作成したトークルームとしては、県と全市町の職員と、外部人材が参加している「全体連絡」のトークルームです。
その後、例えば「公共交通」「空き家」「移住」「労働力不足」といった、ラボで検討しているテーマ毎のルームが作成されています。
また、各市町の中には情報担当者が一人か二人しかおらず、気軽に相談できる人がいないという意見もありました。そこで、「ALL香川」で誰でも相談できる場を作りたいと思い、「情報担当」のトークルームも作成しています。こちらは好評で、活発な議論や情報提供がされています。ほかにも自治体マイナポイントについて相談しあえるトークルームもあります。
このように誰もが自由に参加できるトークルームの一覧を作成し、「全体連絡」用のトークルームのノートから各自が確認できるようにしています。
県が連携組織の管理者ではありますが、連携組織にどれくらいトークルームが作成されているのかは細かく把握していません。もしかすると市町同士のみでやり取りをしているトークルームがあるかもしれませんが、自由に活用してもらえたらと思っていますし、特にルールを決めないからこそ新しいアイディアや意見、関係性が生まれると考えています。
■LoGoチャットの具体的な活用シーンを教えてください。
週に2回程度、ラボの活動として現地・オンラインのハイブリッドで、課題解決に向けた話し合いなどをしています。その日程連絡やWEB会議のURL、当日の会議資料の共有はLoGoチャットで行っています。
また、チャットだと複数人でのやり取りがしやすいことから、「~について教えてほしい」と相談したり、議論がされていたりすることもあります。
■県内の市町様と連携されるにあたり、工夫した点や苦労した点を教えてください。
令和4年の3月に取りかかり、4月には運用を開始しました。すぐに市町向けにLoGoチャットで連携をすることの説明会を実施したことと、自治体が無料で使えるプランがあることが、運用を迅速に開始するにあたって大きかったと思います。各市町も試しにやってみようという流れで開始できたので、検討から開始まで約1か月というスピード感で始められました。
また、上手く連携が進んだのはスモールスタートで徐々に利用を展開したことと、新しいことが好きな県民性もあったかもしれませんね。(笑)
運用をはじめた頃は、県の職員が挨拶やラボの活動の様子の写真を投稿し、気軽に参加しやすい雰囲気づくりをしました。
コミュニケーションを取りやすくする工夫として、スタンプも積極的に活用しています。メールだと堅苦しさがでてしまいますが、スタンプを使うことで、気軽にコミュニケーションが取りやすくなったと思います。
また、既読・未読がわかるので、未読のままの方には、電話をかけるなどでフォローするよう心がけています。
■どのような導入メリットを実感していますか。
やはり情報共有が速く、気軽であるところがいちばん魅力に感じています。
メールだと大事なことをきっちり改まって伝えるようなところがありますが、チャットであればイベントのお誘いなど、ちょっとした話もしやすくなりました。
今までは対面で集まる会議体やメールが主なコミュニケーションの手段でした。そのため、県が市町から受けた質問をメールで返信しても、その質問者にしか回答が見えませんでしたが、チャットであれば一人の質問を全市町も見ることができ、同じ悩みを抱えていた人にも自然と共有されるところもメリットとして感じています。
今では必ず伝達する必要がある情報やきちんとした文書で通知する必要がある事項以外は、ほとんどチャットでやりとりしています。メールだと正式なルールに沿って送らなければなりませんが、チャットではその手間がかかりません。メール作成の時間が削減され、仕事の効率化もできていると感じています。
対面会議ではどうしても堅苦しい形式になり、本音が伝わらないこともありましたが、チャットでは言いたいことや聞きたいことを気軽に投げかけることができます。
当初は活用方法に不安もありましたが、実際に利用してみると使いやすく、利用のハードルが低いところで各市町と繋がっていられるところもメリットだと感じています。
―作成者のコメント
担当の寺西さんと上神田さんが明るく楽しく、場づくりをされているのが印象的でした。あくまで人と人とのコミュニケーションを大切にされていて、「まずは挨拶から」という、対面と同じようにチャットでもコミュニケーションの基本的なことを大事に継続されていたことがとても重要なポイントなのではないかと思いました。
香川県庁様、貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
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※資料のお渡しは自治体様に限ります。