【LoGoフォーム導入事例】わずか1年でオンライン化100%達成!東京都港区様の挑戦に学ぶ、自治体DX成功の秘訣とは?


自治体のDX推進において、「申請手続きのオンライン化数」は重要な指標の一つです。
一方で、「職員のITスキルの差」「電子化のハードルの高さ」「庁内の意識統一の難しさ」など、さまざまな課題が立ちはだかり、なかなか前進できない自治体も少なくありません。

そんな中、東京都港区様は、わずか約1年という短期間で、オンライン化率を20%から100%に引き上げることに成功されました。
今回は、100%達成までの道のりと、取り組みのポイントを詳しくご紹介します。

住民ニーズに応えるため、前倒しでオンライン化を加速

港区様では当初、「令和8年度末までに全手続きをオンライン化する」という基本計画を掲げていました。
しかし令和5年春、コロナ禍をきっかけに住民のオンライン化ニーズが急速に高まったことから、内部でも「もっと早く実現できないか」という声が上がり、目標の大幅な前倒しが決定されました。

ここから年度末まで、わずか1年での100%達成に向けた挑戦が始まります。

「できない理由」を徹底検証~対象外手続きの選定ルール~

港区様の最大の特徴は、オンライン化対象外とする手続きを厳密に定義し、それ以外は全てオンライン化対象とした点です。

当初「オンライン化は難しい」と考えられていた手続きのうち、実際に不可能なものは2割程度。
残りは「面倒だけどやればできる」手続きであり、「ツールは整っているから、オンライン化できない理由はない」というスタンスで、手続き所管課との丁寧な協議を重ねて進めたことが成果につながったといいます。

▼オンライン化対象外と認める基準

法令上の制約がある
(例:法令上の規定により、申請等をオンライン上で行うことができないもの)
区以外の関係者による制約がある
(例:外部機関の規定が影響するもの)
契約・支出処理による制約がある
(例:書面による契約が必須とされるもの)

手続き所管課が「できない」と申告した手続きについても、上記に当てはまらないものは全て「オンライン化可能」と位置づけ、全課と対面協議を実施しました。

▼難易度は高いが「オンライン化可能」とした事例

「手続時に手数料を納付する必要がある」
LoGoフォームの「オンライン決済」機能で電子決済に対応
「原本提示が必要な添付書類がある」
原本の必要性を含め、業務フローの見直しを要請

当初は「年度末までに全手続きをオンライン化する」ことに対する現実味がない職員も多かったということですが、区民の利便性向上を何度も訴えることで、慣習や思い込みによる抵抗感を乗り越えていきました。

伴走支援と教育コンテンツの充実

職員のITスキルに差がある状況を踏まえ、港区様では徹底した伴走支援と教育施策を行いました。

まず、LoGoフォームの操作に慣れていない手続き所管課の職員に対しては、必要に応じてデジタル改革担当がフォームの作成支援を実施
ただし、あくまで一時的な支援とし、最終的には手続き所管課の職員自身がフォーム作成・運用できる体制を目指して徐々に自走を促しました。

また、教育コンテンツの作成にも力を入れました。

トラストバンクが提供する操作マニュアルをさらにかみ砕き、ステップバイステップで操作できるマニュアルを独自に作成

受付業務のみを行う職員向けには、受付専用のマニュアルも別途用意しました。

こうした手厚いサポートにより現場の不安を払拭し、少しずつオンライン申請の運用に慣れていく環境を整備。
結果として、紙ではなくオンライン様式を前提に業務フローを考える文化が根づき、不要な押印や確認プロセスが廃止され、事務フロー全体が大きく改善されました

LoGoフォームだからできた!100%オンライン化を支えた「使いやすさ」と「豊富な機能」

オンライン化推進には全庁的な協力が欠かせず、実際に運用するのは各手続き所管課の職員であるため、「誰でも簡単に使いこなせ、作業負担が小さいこと」はシステム選定において極めて重要な条件です。

港区様で以前導入していた電子申請サービスでは、手続き所管課での活用がなかなか進まず、オンライン化率は20%未満と伸び悩んでいました。

その中で導入されたのが、直感的な操作性を備えた「LoGoフォーム」です。

「LoGoフォーム」は誰でも簡単に使えるだけでなく、豊富な機能を備えた拡張性の高いプラットフォームであり、オンライン化の加速に大きく寄与しました。

住民票や各種証明書の発行手続きに必要な「オンライン決済」機能・「電子認証」機能、また申請受付後の住民とのやり取りが可能になる「デジタル窓口」機能などを活用することで、幅広い手続きに対応することができました。

こうした機能を最大限活用することで、港区様では令和6年4月までに5,200フォームを作成

2,427件の手続きにおいてオンライン化を実現し、法令上の制約がある一部を除き、100%オンライン化を達成されました。

まとめ

港区様がわずか約1年という短期間で行政手続きのオンライン化100%を達成できた背景には、
単なるツール導入に留まらない、業務フローそのものの見直しと、現場職員への徹底した支援・伴走という、地道かつ力強い取り組みがありました。

特に、できない理由を探すのではなく、どうすればできるかを考える姿勢を持ち続けたデジタル改革担当者様のリーダーシップが、庁内の意識改革と推進体制の構築に大きく寄与したこともうかがえます。

地道な伴走、現場に寄り添うサポート、また難易度の高い手続きオンライン化に対しても既存の業務フローを見直すことで取り組まれた柔軟な姿勢が、行政DXを前進させる鍵となったことが分かる事例といえるでしょう。

これからオンライン申請の推進やDXに本格的に取り組もうとされる自治体様は、ぜひ参考にしてみてください!

 

本事例は、自治体通信4月号にも掲載されています。併せてご覧ください。

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