【LoGoチャット導入事例】鹿児島県奄美市 平時の利用が活かされた!災害対応でのLoGoチャット活用

通常業務のみならず、防災関連業務でも効果的にLoGoチャットを利用している奄美市様。今回は防災での活用に注目し、具体的にどのように活用しているのか?なぜ災害対策でLoGoチャットが有効なのか?たっぷりお伺いしました!

(取材日:令和4年8月19日)

 

◆お話をうかがった方

デジタル戦略課 課長兼働き方改革推進監 押川 裕也氏(写真中央)

デジタル戦略課 主査 川元 加菜恵氏(写真左)

総務課 危機管理室 主事 棈松 友大郎氏(写真右)

 

鹿児島県奄美市

◆人口:41,840人(令和4年7月末現在)

◆世帯数:23,677(令和4年7月末現在)

◆予算規模:31,405,975万円(令和4年度当初予算)

◆面積:1,239平方キロメートル

 

■はじめに、奄美市様でのLoGoチャットのご利用状況を教えてください。

奄美市では2020年の2月に無料トライアルを開始し、2020年5月には全庁へ展開しました。災害時だけでなく、平時のコミュニケーションやテレワークでも活用しています。

※前回取材時の記事はこちら

publitech.fun

■LoGoチャットで作っている災害用トークルームには、どんなものがありますか?

「奄美市災害対策本部」「避難所運営」「市公式SNS・配信情報共有」などがあります。

「奄美市災害対策本部」は、係長以上の幹部職員と消防署長が参加しているトークルームです。災害発生に関係する情報や今後の方針を発信しています。

「避難所運営」には、避難所対応を行う職員を追加しています。職員の割り当ては、基本的に地区防災計画に基づいて配置していて、そこからさらにインフラ関係や公共施設をもっている事業課の職員を除いています。トークルームは基本的に固定で運用していますが、人事異動等があった場合は入れ替え作業を行っています。

「市公式SNS・配信情報共有」は、危機管理室・広報・デジタル戦略課の3課が参加しているトークルームです。SNSで発信してほしい内容を、SNS担当者に伝達するのに利用しています。

 

「奄美市災害対策本部」トークルームについて(参加者:係長以上職員+消防署長)

 津波警報が発令された際は、チャットで津波警報発令の情報を発信し、警報の詳細や被害状況、時間経過についてはノート機能を活用し共有しました。また、商工政策課で管理している島バスの運行状況や、市内交通インフラに関する情報についても連携しました。

▲津波警報の情報をノートで共有

大雨・洪水警報が発令された際は、災害現場にいる職員から災害場所や道路状況に加えて、被害状況や冠水地域の写真を共有しスピーディーな情報連携を行いました。
奄美市は3地区に分かれており、それぞれ場所が離れていますが、LoGoチャットは現場の写真をすぐに共有できるので、離れた場所同士での情報共有がとても早くて便利ですね。

▲現場の様子を写真で共有

また、これまではLGWANメールで情報共有しており、担当者が情報を見たかどうか確認することができませんでしたが、LoGoチャットでは、既読・未読機能で情報伝達度合を把握できるので、ありがたいです。 

▲既読・未読機能のイメージ

さらに台風発生時などにおいては、警報の段階に合わせて避難所を開設するか検討を行い、開設が判断されると職員配置等の体制を決めて行きます。このような報告もLoGoチャットで行われています。

 

▲避難所開設に備え、職員の今後の動きを指示

 

「避難所運営」トークルームについて(参加者:避難所の職員)

避難所が開設されると配置された職員は、「避難所運営」トークルームで現場の情報を共有していきます。どういった方が避難されているのかという情報や、足りない物資の情報など避難所の状況、増水の危険性があるなど避難所周辺の環境についても写真で情報連携をしています。

▲「避難所運営」トークルーム

また、ノート機能を使って避難所の世帯数を共有し、その情報を市のホームページに掲載したり、防災無線で読みあげたりして住民にも共有しています。

その他にも「停電した避難所」「これ以上受入れ不可能な避難所」や「身体障がい者向けトイレのある避難所」などの情報をノートにまとめており、これら「避難所運営」ルームで集約した情報は「奄美市災害対策本部」ルームに共有しています。

▲避難所に関する詳細をノートで共有

 

「市公式SNS・配信情報共有」トークルームについて(参加者:危機管理室・広報・デジタル戦略課)

防災無線で災害に関する放送を行っているのですが、以前、無線が聞こえないという市民からのお声がありました。そこで奄美市では、放送内容を市公式SNSでも配信し、情報の「見える化」をしています。まず、防災無線の担当者が「こんな内容を放送します」とチャットに投稿し、それを受けてSNS担当職員が市公式SNSに同様の情報を配信します。

防災情報の他にもPCR検査など、あらゆる情報をSNS担当職員に共有し、SNSを通じて市民のみなさまに重要な情報を迅速にお届けできるよう工夫にしています。

▲市公式SNSで配信する内容を伝達

 

■LoGoチャットのモバイルアプリ利用がとても普及していますが、どのように利用促進をされましたか?

奄美市では9割超の職員が、LoGoチャットをスマートフォンに入れています。
必ず入れてくださいと案内しているわけではないのですが、パソコンとモバイル端末はそれぞれ1台までインストール可能としています。導入当初は一部の職員がモバイルアプリを利用していましたが、外出先からもチャットを見ることができる便利さが広まっていき、今ではほとんどの職員が利用するまでになりましたね。
防災という観点からも、モバイルアプリは情報をすばやく把握するための必須ツールであると考えています。

 

■有事の際もLoGoチャットが活用できている理由はなんでしょうか?

普段からチャットの使用に慣れていることが、有事でも活用できる大きな要因かと思います。通常の業務でも、課内での情報共有はLoGoチャットを使っていくよう勧めています。ちなみに導入時の説明会で、職員には最低でも、課と係のトークルームはマストで作成をお願いしました。徐々に利用者が広まっていきましたね。

今後は、職員に知られていない機能もまだ多くあるため、そうした機能の利用を促すための施策に取り組んでいきたいと考えています。

 

■LoGoチャットを活用してどのようなメリットを実感していますか?

LoGoチャットのメリットは、情報伝達の「速さ」と「確実性」です。災害時、発信した情報が相手に届いているかというのは重要なポイントです。メールだと相手が内容を見たかどうかわかりませんが、LoGoチャットでは既読・未読機能で、相手がメッセージを見たかどうかわかり、確実に情報共有ができます。また、職員の安否確認手段として活用できることも大きなメリットですね。

その他、これまで災害時の情報共有では、電話でやり取りして、Excelに時系列で写真を貼って…。災害対応と同時に災害情報をExcelで時系列に作成することがとても手間でしたが、LoGoチャットはすぐに写真等の共有ができます。チャット画面をモニターで投影して、本部の方からスピーディーに指示を仰ぐこともできます。LoGoチャットを入れる前と後では、情報の共有が格段に早くなっていますね。

 

■これからの活用において改善したいポイントはありますか?

避難所におけるスマートフォンの使用に関して、課題を感じています。本当は仕事をしているのに、避難者から「スマホをいじって遊んでいる」という印象を持たれてしまうと、現場から声がありました。

現在対策として2つの方法を検討しています。1つ目は、避難所職員を2名配置し、1名は避難者から見えないところでスマートフォンを操作するという方法です。2つ目は、市から職員にタブレットを配布する方法です。タブレットであれば、外から見ても「仕事をしている」という印象を持っていただきやすいと思うので、検討を進めているところです。災害時においてスマートフォンやタブレットを使ったリアルタイムな情報共有はもはや必須なので、住民のみなさまからご理解をいただけるよう、工夫したいと思っています。

また今後、災害対応する現場においては、止むを得ず個人情報を取り扱わないといけない状況に直面することも想定されます。そのため、大きいトークルームでの発言ではなく、避難所担当職員と危機管理職員との1対1のトークルーム内で連絡してもらうなど、災害時における個人の情報の取り扱いについては今後十分に検討していかなければいけないと思っています。

 


奄美市様、貴重なお話をいただき、ありがとうございました!

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