多摩市では、学童クラブの入所申請をオンライン化するため、LoGoフォームをご利用いただきました。導入の経緯からその効果、今後の活用までをインタビューしました!
(取材日:令和3年12月03日)
◆ お話をお伺いした方
■情報政策課
課長 竹田昂士 様
係長 森雅浩 様
主事 石川智之 様
■児童青少年課
課長 石山正弘 様
係長 榎原康裕 様
主事 東幸輝 様
東京都多摩市
◆人口:147,922人(令和3年10月1日現在)
◆世帯数:73,538世帯(令和3年10月1日現在)
◆予算規模:630億3,000万円(令和3年度 一般会計当初予算)
◆面積:21.01 km²
■ LoGoフォームを導入した経緯について教えてください。
多摩市では、定期的に約1800人の市職員向けの大規模なアンケートを実施しており、この事務を省力化するため様々な手法を検討してきました。初めは外部の事業者に委託をしてみましたが、コストが大きくかかりました。
そこで、自らでフォームの作成から集計が可能なLoGoフォームを試してみることにしました。実際に利用をしてみると、非常に使い勝手がよく職員でも操作できる「ローコード」の良さを実感。既存の電子申請システムでは、通常の業務の中で利用することができない制限もあったため、LoGoフォームを用いて他の業務においても改善を図っていけないか検討することにしました。
■ 学童クラブの入所申請にLoGoフォームを導入した経緯を教えてください。
国により示された「マイナンバーカードを用いたオンライン手続き」以外で、件数が多く、対象が20~30代の比較的若い世代となる申請を探し、学童クラブの入所申請に決めました。
学童クラブの入所申請は、住民の方は申請のために市役所や学童クラブに出向かなければ ならず、職員も申請期間は朝から夕方まで窓口で対応しています。また、住民の方には申請内容を紙に記載をしていただいており、受領したのち、申請内容をシステムに入力し直さなくてはなりません。こうした市民・職員双方の負荷を軽減に期待し、LoGoフォームを導入してみることにしました。
■ 申請をオンライン化する上で工夫したことを教えてください。
オンラインで、学童クラブの入所申請をすべてできるようにしました。提出が必要な別添資料等は、LoGoフォームのファイル添付機能を用いて申請と同時に資料も送付いただく形で対応しました。細かい工夫になりますが、従来不備の多かった項目には制御をかけて必ず入力しなければ申請が完了できないようにしたことや、紙の申請書と質問の項目を変更し、条件分岐で制御をかけることで、特定の方のみ回答が必要な項目については、該当者にのみ質問が表示されるように設定をしたことなどです。
公開前に、他の職員にテストで申請してもらうことで、不親切な箇所や分かりづらい表現などを修正していくことができました。一例として、 紙の申請書だと同じ内容を複数回記入いただくところがありましたが、自動計算機能を使用しできるだけ入力いただく項目を減らしたり、選択した項目によって添付いただく書類の説明を表示することで、利用者のわずらわしさを軽減するように工夫しました。
結果として272件をオンラインで申請を受付け、事務負担の軽減になりました。
また、窓口で申請をいただく方の中には、提出書類を手元に用意できていない方もいらっしゃいます。この対応として、後日不足書類のみをオンラインで送付いただけるように準備をしました。これにより、不足書類がある保護者の方は、再度来庁しなくてもオンラインで不足書類の提出をすることができ、また、締め切り当日に窓口にいらっしゃった方でも、その日中に帰宅してから不足書類をオンラインで提出いただけるようにしました。
■ 導入・運用して感じたメリットについて教えてください。
窓口に来て相談した上で申請をしたいというニーズも一定数ありますが、学童クラブの申請をされ方の多くは日中仕事をされているため、いつでも、どこからでも申請ができるオンライン申請の方が好都合です。それぞれのニーズに合わせて手続きの方法を用意できたことはとてもよかったと思っています。
実際に、オンライン申請の申請件数を見てみるとは、お昼の時間帯や、21時以降の夜の時間帯に集中していたのも印象的でした。お仕事をされている保護者の方々が、仕事の合間であるお昼休みの時間帯を使って申請をしたり、仕事が終わったあと、夜の落ち着いた時間に申請をすることができた成果だと思います。オンライン申請がなかったときには、窓口へ来ていただくにしても、お昼の時間は受付を行っていなかったり、庁舎(窓口)の受付時間が限られているため、忙しい保護者の皆さんに選択肢を増やすことができたと実感しました。
オンライン申請をしていただいた方のアンケート結果においても、非常に好評でした。今後も、住民の方々の多様なニーズに合う手続きの手段を整備していきたいと思っています。
■ 『LoGoフォーム』を今後、どのように活用していきますか。
必要な対面業務は残しながらも、オンラインで可能な手続きはどんどんオンラインで整備をしてきたいと考えています。職員には高い視座で業務を見て、対面での手続きは、「なぜ対面での対応が必要か?」というところから見直しを行ってほしいです。根本から業務を見直して、住民の方々の利便性を向上させるためのツールとして、LoGoフォームがあると思っています。
また、LoGoフォームは、若手が積極的にチャレンジをしてくれる手段でもあります。現在、多摩市では160を超えるユーザーが300以上のフォームを作成するほど活用が進んでいますが、20~30代の中で、身近な課題解決ツールとして話題になっているとも聞いています。そうした若手のチャレンジとしてもどんどん使っていってほしいですね。
■ 今後の多摩市でのDXのビジョンを聞かせてください。
政府から自治体DX推進計画が示されたように、自治体としてはやらなくてはならない状況はどこも同じだと思います。とはいえ、計画を作ることに重きを置いているわけではありません。なぜなら、変化の早い時代だからこそ、いつまでに何をやるという緻密な計画よりも、柔軟に変化をしながらゴールに向かっていければ
いいと思っています。ゴールへの道順は様々だと考えます。
人口減少が加速し職員数も減少していく中、デジタルツールは業務に欠かせない手段になることは間違いありません。使うことが目的ではなく、どうありたいかという理想像に向かっていく手段がDXであるということを大切にしたいと思っています。
多摩市様、ありがとうございました!
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