【イベント開催報告】自治体DXウィーク2022第6弾!大分県中津市様

9月1日(木)~8日(木)の期間で、自治体様向けオンラインセミナーを全6回開催いたしました。
自治体DXへの取り組みがますます求められる中、本セミナーでは全国430自治体が導入するローコード電子申請システム「 LoGoフォーム」を用いて行政手続きオンライン化に取り組む自治体様にご登壇いただき最新事例や、その推進手法をご紹介しました。

今日は、最終回・大分県中津市様の発表をレポートします!

第6回「楽しくデジタル化を推進!現場職員に徹底的に寄り添う中津流DX」

開催日:2022年9月8日
ご登壇:大分県中津市 総務部 行政経営改革・デジタル推進課DX推進係
    主任 中尾修大様

今回ご登壇いただいた中尾さんは平成30年に入庁し、子育て支援課保育施設運営室を経験された後、昨年度より現在のご所属である行政経営改革・デジタル推進課に異動し、DXの推進に尽力されています。

中津市の人口は約8万3000人程度、子育て世代が多いことが特徴です。令和3年度に行革部門に「DX推進係」が新設され、行政経営改革・デジタル推進課に改編され、行革の中の柱として位置づけられているそうです。令和2年度よりLoGoチャット・LoGoフォームのトライアルを開始し、令和3年度より本格導入をしました。LoGoフォーム導入後1年間でなんと300手続きのオンライン化を実現し、その3か月後には計400件のオンライン化が実現したそうです!

中津市での取り組み状況

中津市様で運用されている代表的なオンライン化事例をご紹介いただきまいした。

①子育て支援施設「なかつ・こどもいきいきプレイルーム」の利用申し込み

「なかつ・こどもいきいきプレイルーム」利用申し込み

コロナ禍に入り、市内の子育て支援センターの利用は事前申し込み制になりました。以前は電話で申し込みの受付をしていましたが、名前や電話番号の聞き取りに1件3分から5分の時間がかかっていました。これらの申し込みをLoGoフォームでオンライン化したという事例です。オンライン化は多忙な保護者から非常に喜ばれました。スマホに慣れている保護者にとっては電話するよりも24時間いつでもどこからでも申請できるオンライン申し込みが便利ですよね。職員にとっても電話対応の時間が削減され、業務が効率化されました。令和3年6月1日開始以降、7904件の申し込みを受け付けています。(令和4年9月2日時点)

②保育施設関係に係る手続き(9手続き)

保育施設関連の9手続きをまとめて電子化しました。保育施設に関わる手続きと言えば「保育施設の入所申込」が代表手続きですが、こちらはぴったりサービスでオンライン化されています。入所申込以外の関連手続きをLoGoフォームでオンライン化されました。忙しい保護者の皆さんが来庁する必要なく、家から申請ができます。また、来庁された保護者に対しても窓口でタブレットからオンライン申請できるようにしています。

③中津市プレミアム商品券申し込みフォーム(第4弾)

中津市プレミアム商品券購入申し込みフォーム

以前は往復はがきで申し込みを受け付けていましたが、往復はがきの購入・記入・投函までが面倒という声がありました。また、職員もはがきの内容をデータ化する必要があり、事務負担がありました。LoGoフォームであればデータが整理された形で入ってくるため、データ化の手間がなくなることで事務負担が低減しただけでなく、市民も簡単に申し込みができるようになって喜ばれたそうです。オンライン申請の利用率は60.6%だったということで、オンライン化のよい効果が出た好事例だと思います。

行政手続きのオンライン化のはじめ方

上記事例の他に、現在中津市様では500近くのフォームを運用し、市民から回答を受け付けているそうです!非常にオンライン化が進んでいる中津市様ですが、まず第一歩としてどこから取り組んだのかというお話も共有していただきました。

キーワードは、3つ。
①「成果が出そうな事例に着手(小さな挑戦と成功)」
②「キッカケづくり」
③「進捗状況を組織内で共有する」

 

「成果が出そうな事例に着手(小さな挑戦と成功)」ではこのようなポイントを上げられています。

最初にオンライン化を進める際に、ターゲットを「スマホ世代」、「多忙な層」というように設定し、その上で手続件数が多い手続きを選びました。また、手続内容が簡素でフォーム化しやすい点もポイントです。すぐにでもオンライン化を実現でき、手続件数が多いので、効果を実感しやすいです。もちろん多忙な市民からも喜ばれるので市民も職員もお互いハッピーになります。これが職員にとっての小さな成功体験となり、次のオンライン化への挑戦に繋がるということです。

2つ目の「キッカケづくり」について。会議の場だけではなく、職員同士の会話の中でもDX事例を紹介するなど、日ごろのコミュニケーションを大切にしながら雰囲気づくりを意識する中で、「やってみたい!」と思う部署や職員が増えてきたそうです。

3つ目は「進捗状況を組織内で共有する」ということです。こちらは中尾さんが所属されている行政経営改革・デジタル推進課が出している庁内報(社内報)で、DXの取り組みの進捗などを随時共有しているそうです。興味を持ってもらえるようなキーワード、内容、デザインを意識しているそうです。

非常に素敵なデザインで目を引きますし、内容も分かりやすいですね。このような日々の取り組みによって、「仲間がいる」、「自分もできるんじゃないか」という機運の醸成につながるようです。

また、推進する上での苦労についても言及されていました。取り組みに対する温度差はどうしてもあるので、気にしないことを大切にしているそうです。部署によって忙しい時期や事情は異なるので、自主性を大切にし、強制はしないようにしているとのこと。逆に、やりたいと手を挙げてくれた担当課に対しては非常に手厚くフォローして実現まで一緒に伴走することを大切にされています。

 

続いて進める上で意識しているポイントについても共有していただきました。共通しているのは「仲間を増やす!」ということ。

①学び・気づき・実践の場を提供
階層別に体系的な研修プログラムを準備しています。例えばLoGoフォームに関する研修だと、令和3年度から開始して、これまで計13回、204名の職員が参加しているそうです。庁内で約4人に1人の職員が受講済みということで、庁内での浸透が分かります。

②徹底的な伴走型支援

担当課からのやりたい!と声がかかったら、ヒアリングからフォームの作成、リリースまで徹底的に寄り添って支援をするそうです。一通りの流れを一緒にすることで、次から担当課が自分でできるようになるそうです。

③多くの職員を巻き込む
中津市様では職員を巻き込む工夫をたくさんされていますが、その中でも特徴的な取り組みの一つとして、「Nakatsu DX School」があります。「Nakatsu DX School」という名前で、2か月間の実践型研修を実施しています。

また、もう一つ特徴的な取り組みが「Nakatsu DX Award」です。職員が自ら応募したデジタル化の事例に対し、職員投票で受賞者を決めました。日頃なかなか賞賛される機会が少ない縁の下の力持ちのような存在の自治体職員。だからこそ職員が自分自身の挑戦に対して表彰を受けるような機会を作りたかったという中尾さん。

Nakastu DX Award 2021開催の想いや授賞式の様子はこちらの記事で詳しくレポートしております!

【LoGoフォーム導入事例】大分県中津市 Nakatsu DX Award 2021開催レポート! - Publitechファン

 

また、今後の展望については、デジタル化したサービスがしっかりと市民に届くように、広報活動に力を入れることや、デジタル化されたサービス同士を繋ぐことも意識してオンライン化を推進していくことなどをお話されました。そして今年度も「Nakatsu DX School 2022」と「Nakatsu DX Award 2022」が開催されます!今年はどんな取り組みが生まれるのか気になりますね。

そして最後に中尾さんよりご参加されている職員の皆様にメッセージをいただきました。①とにかくやってみよう、②組織全体で「みんなでつくるDX」、③コツコツとした積み重ねというキーワードを共有していただきました。参加している職員の皆様も勇気をもらったようです。

参加者の皆さんからも、

・相談相手の部署内でヒアリングしながら、フォームを作ることに、そこまでしているのか!と思いました。 熱量がすごく勉強になりました。

・ほかの課を巻き込む方法が非常に参考になった。

・何から始めればよいかと苦労することが多いと思うので参考になりました。

・成功事例とうまくいかない部分のフォローの仕方が同じで、自分のしてきたことに自信を持てたのでよかったです。 こういったことは他市と情報共有する場がないと確認できないためとても助かります!

・BPRと連携したlogoフォーム活用事例を知ることができた。

といった感想がありました!

とても楽しそうにオンライン化での取り組みについてお話されている中尾さんの姿が印象的でした。驚くほどのスピードで行政手続きのオンライン化を進めている中津市様ですが、その裏側を覗くとターゲットの策定や徹底した伴走型支援、職員がやってみたい!と思う工夫と地道な努力がありました。昨年度の「Nakatsu DX Award 2021」の授賞式に参加させていただきましたが、現場の方が前向きにDXに取り組む様子はまさに「みんなでDX」を体現されていました。今後も中津市様での取り組みから目が離せませんね。

登壇いただいた中尾さん、本当にありがとうございました。

ここまで全6回の開催レポートを連載してきました!最後までご覧いただきありがとうございました。
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